2017年10月23日

プール

小林聡美さんの映画、好きな人多いだろうなー。
人との距離感、時の流れ方、ほのぼの。
台詞にしてない部分が好き。

大学の卒業を目前にして、さよは母を訪ねる。
母京子は4年前、チェンマイのゲストハウスで働く事にして
日本を後にしていた。
迎えに来たのは母ではなく市尾という青年だった。
そして、やっと母に会えた時、母はビーと言う少年と暮らしていた。

何故、母は私をおいてチェンマイに行ってしまったのか。
実の娘の私が一緒に暮らせないのに、何故母は少年と
暮らしているのか。ビーに罪はないのに大人げない態度をとった
さよはもやもや。素直に母と暮らしたかったのに。。と
言えないさよが可愛い。

行方不明の母を探すビー。その手伝いをする市尾。
だが、その手伝いは裏目に出てしまう。
優しさが人を傷つけてしまう。

印象的なのは、さよが自分の気持ちを母にぶつけるシーン。
それに対して母京子は、直接的な返答をしない。
娘をおいてチェンマイに行くことが、母のしたかった事なのか。
(娘を言い訳に夢をあきらめなかっただけ)
好きな事をする方がいいと思うのよ。

無責任じゃないのか。私がぐれたかもしれないよと。
(無責任でごめんねって言えば、おいてきたことが間違いだというようなもの)
その時考えて出した結論だからね。
あなたはぐれないわよ。私はあなたをしってるものという。

あなたが大事よとか、仕方なかったのよとか
無責任でごめんねとか言わない京子がいい。多分、どれも違う。

当時、さよは4年前で高校を卒業する頃だと考えると、
さよはしっかりしていて、京子からみて大人として認められたのだろう。
だからこそ、母は子離れし、娘の親離れの時期にした。
だが、娘はまだ少し母に甘えたかったのだろう。

別れ際、京子はさよに自分で刺繍をしたストールを渡す。
あなたが大事よと口だけならいくらでも言える。
あの時、そう言われたとしてさよはその言葉を素直に
信じられなかっただろう。
その代りに、母は自分の気持ちをそのストールに託した。
あなたの事を思って時間をかけて刺繍した。嫌いならそんな事しない。
親子でも、人が人に出来る事はそんなにたくさんはないのよ。
そう言いたげな。
オーナーの菊子さん、余命宣告をうけている。
ここでも出来る事はそう多くはない。

言葉の外にある会話が、とても胸にしみて好き。

posted by azu at 14:24| 映画 | 更新情報をチェックする